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わんコラム

第三回 犬にオリゴ糖は有用か?

わんこ

オリゴ糖って、お腹によさそう!
そんなイメージありませんか?

今回は、オリゴ糖がなぜお腹にいいのか、わんちゃんにも効果はあるのかについてのお話です。

オリゴ糖とは

 オリゴ糖とは、単糖が少しだけ結合した糖で、少糖ともいいます。

 糖質には、これ以上加水分解されない最も単純な形の糖である単糖類、単糖が二つ結合した二糖類、そして複数結合した多糖類があります。

 単糖類には、ブドウ糖(グルコース)や果糖(フルクトース)、ガラクトースがあります。

 二糖類には、麦芽糖(マルトース)やショ糖(スクロース)、乳糖(ラクトース)があります。マルトースはふたつのグルコースの結合、スクロースはグルコースとフルクトースの結合、そしてラクトースはグルコースとガラクトースの結合した二糖類です。ラクトース(乳糖)は、人間や牛だけでなく、犬や猫の母乳にも含まれていて、子犬や子猫の大切な栄養素です。授乳期には乳糖を分解する酵素(ラクターゼ)の活性が十分に高いため、乳糖を利用することができます。成長するにつれて、この酵素活性が低くなってしまうため、大人になった犬や猫では、乳糖を多く摂取するとお腹を壊してしまいます。

 多糖類には、でんぷんやグリコーゲン、セルロースがあります。これらは、グルコースがたくさん結合した構造ですが、グルコースのタイプや結合の方法が異なり、セルロースは動物の消化酵素では分解できません。

 オリゴ糖は二糖類から含める場合もありますが、犬猫の栄養の研究をまとめているNRC飼養標準では、グリコシド結合によって結合した3から10個の単糖類から構成される炭水化物をオリゴ糖としています。

 オリゴ糖には、スクロースにフルクトースがいくつか結合したオリゴ糖であるフラクトオリゴ糖や、ラクトースにガラクトースがいくつか結合したオリゴ糖であるガラクトオリゴ糖などがあります。他にも、ラクチュロース、キシロオリゴ糖、マンナンオリゴ糖、ラフィノースなど、結合する糖の違いなどにより、オリゴ糖には多くの種類があります。

犬

オリゴ糖のお腹への作用

 お腹によいイメージのあるオリゴ糖ですが、その理由のひとつは、オリゴ糖が善玉菌(体によい作用を及ぼす腸内細菌)の食事になってくれるからです。腸内細菌の多くは大腸に住んでいます。摂取したオリゴ糖は、小腸までで消化(分解)吸収されることなく、大腸に到達してくれないといけません。私たち人間も犬も、食べた食事は消化管内で消化され、その栄養素は主に小腸で吸収されていきます。一般的に、オリゴ糖は、動物の消化酵素によって消化されずに、大腸に届くオリゴ糖を指します。体によい作用を及ぼす腸内の細菌など微生物の食事になる成分をプレバイオティクスといいますが、オリゴ糖は、水溶性食物繊維とともに、このプレバイオティクスとして働きます。

 プレバイオティクスによって増えた善玉菌は、乳酸や酪酸を産生してくれます。これらによって、腸内のpHが下がり、腸内環境が改善されます。他に、血液中の脂質濃度を低下させたり、免疫系に作用したり、血糖値やインスリン抵抗性を改善する作用もあります。

 腸内細菌は、ビタミンの合成も行ってくれるため、オリゴ糖のような腸内細菌への食事の供給は大切です。

 このように、オリゴ糖を摂取することは、直接的だけでなく間接的にも、そしてお腹の中だけでなく、全身への効果も期待されます。

オリゴ糖の犬への効果

 犬もオリゴ糖摂取によって腸内細菌が増え、その腸内細菌によって乳酸や酪酸の産生も増えます。そして、これらの産生された物質によってさまざまな作用が生じます。

 代表的な整腸作用では、病原菌を抑制して腸内環境を変え、消化管運動を整えます。下痢だけでなく便秘の改善にも役立つことがあります。子犬のサルモネラ感染症の症状が軽くなったり、大腸の血流や細胞の増殖が促進したり、また、異常に増えてしまった小腸内細菌を減少させた報告もあります。老犬になると、腸内細菌のバランスが変わり、善玉菌が少なくなり、悪玉菌が増え、酪酸産生菌も減少してしまいます。善玉菌を増やして、悪い菌が増えにくいような腸内環境づくりのためにも、オリゴ糖摂取は有効かもしれません。

 オリゴ糖摂取によって腸内細菌が産生した酪酸は、犬も人と同様に大腸の細胞の食事(エネルギー源)になりますが、このほか、腸炎を抑えてくれる免疫細胞を誘導し、小腸の炎症を改善してくれることが期待されています。

 腸内のアンモニア産生菌を抑制し、アンモニアが体内に吸収されにくくなるオリゴ糖もあります。肝臓の病気では、体内のアンモニアの増加などによって、ふらついたり、グルグル回って歩いたり、けいれん発作を起こしてしまう肝性脳症という症状が出ることがあります。この治療に動物病院から処方されることのあるラクチュロースは、オリゴ糖の仲間です。

 肥満犬は、インスリン抵抗性になってしまうことがあります。インスリンは膵臓から出るホルモンで、ブドウ糖(グルコース)を血液中から細胞内に取り込む作用(血糖値を下げる作用)があります。インスリン抵抗性とは、このインスリンに対する反応が上手くいかなくなってしまうことです。この状態になると、細胞内に取り込まれなかったブドウ糖が血液中に多く残り、血糖値が上昇し、最終的に糖尿病になってしまいます。このインスリン抵抗性がオリゴ糖を摂取することによって減少した報告もあります。

 このほか、アトピー性皮膚炎の症例で使用した報告もあり、人と同様、オリゴ糖には幅広い作用が期待されています。

 オリゴ糖にはうれしい作用がたくさんありそうですが、オリゴ糖の摂取だけで病気の改善を期待してはいけません。病気の場合は、その根本的な原因を探し、その治療を行わなくてはいけません。時に、食事や環境の見直しが必要な場合もあります。必ず、かかりつけの動物病院に相談しましょう。

オリゴ糖を与えるときの注意点

 オリゴ糖の投与中止によって、増加していた善玉菌が低下した報告もあるため、継続した投与が必要かもしれません。お腹の調子が悪いときのように、早めに善玉菌を優勢にするためには、一時的な投与であっても、オリゴ糖の摂取は効果的かもしれません。

 オリゴ糖は、摂取しすぎると軟便になることもあるので注意しましょう。

 わんちゃんのために食事やサプリメントを考えるように、わんちゃんの腸内細菌のためにオリゴ糖などを考えてあげるのも楽しいですね。

監修 清水いと世